那須町医師会総会(平成22年度):平成23年3月28日(月曜)18時30分〜於:那須塩原市 つき邑 

1: 代表挨拶:河島 弘文
出席者12名(委任状7名、参加者5名)、欠席2名.地震災害の犠牲者に対し黙祷(以下割愛).
2: 議事進行:立花 隆司
[1]会務報告
・22年度決算(案)と23年度予算(案):承認
[2]協議事項
23年度那須町保健予防事業計画打合せ会について(H23/2/28開催)
打ち合わせ会の補足・訂正はなし.
23年度行政関係担当等
介護審査会委員6名の処、合議体数に合わせ4名とする.第1〜4合議体の各々の担当は、河島先生、柄沢先生、塩田先生、見川先生となる予定.
東日本大震災(避難者健康管理、義援金etc)
那須町に原発事故で避難している方へ、巡回医療相談の担当と現状報告(既に3/18,3/25の2回実施).
・黒田原小学校は地震被害の為、朝日小・黒田原中の校舎を間借りしての運営となる.校医等の変更は無し.
那須町医師会ホームページについて: http://nasumed.web.infoseek.co.jp/public/nas/NDHP2/nasu_drs.html
次年度に向けての更新を行う.
[3]連絡事項・その他
研修資料について:23年度版・今日の治療
予防接種について:
hib・ヒブ、小児肺炎球菌、HPV(集団接種)の助成が始まった.HPで情報提供予定.但し、現在は接種事故で接種停止中であったが、4/4から再開予定(下記資料).又、HPVワクチンは、ワクチン不足のため停止中で4月以降の供給.
(資料)4月にワクチン接種再開へ ヒブ、肺炎球菌で厚労省(共同通信社3/25記事)
接種後に乳幼児が死亡したとの報告が相次ぎ、予防接種の実施を見合わせていたインフルエンザ菌b型(ヒブ)、肺炎球菌の2ワクチンについて、厚生労働省は24日、4月から接種を再開することを決めた.専門家の検討会がこの日、「報告分については死亡と接種に明確な因果関係はない」と判断したことを受けた.死亡例の報告は3月に7件あった.いずれもヒブや肺炎球菌と、三種混合などのワクチンを同じ日に接種していたが、検討会では、国内外の事例を考慮しても「単独接種に比べて重い副作用の増加は認められない」と、同時接種の安全性に問題はないと認めた.ただ、重い持病のある子どもの場合は、医師が慎重に判断するべきだと指摘した.この2ワクチンは、子どもの細菌性髄膜炎などを予防する.昨年11月、市区町村がこれらのワクチンの接種と公費補助をする場合に国が半額負担する事業が始まった.死亡例の報告が相次いだのを受け、厚労省は今月4日から接種を見合わせていた.
3: 講演「放射線被曝に関連して」 演者: 河島医院 河島 弘文
(資料)放射線被曝の量:
1Sv(シ-ベルト)=1000mSv(ミリシーベルト)=1000000μSv(マイクロシーベルト)である.Svは時間単位で表わされる.例2mSv/h(時).放射能はその蓄積が問題です.単純な積算計算では、1008時間=42日で単位が一つ上がると言うことです.国際放射線防護委員会(ICRP)勧告では、積算量で住民が20〜100ミリシーベルトの被曝が予測される場合は対策をとるように求めている.つまり、一番低い積算量で単純計算すると、20000(μSv)÷365÷24=2.28.つまり2.28μSv/hを防護・遮蔽もせず、絶えず被曝していると警告数値に達してしまうので、1年間で避難しなければならなくなります.遮蔽効果により、コンクリート住宅なら1/5に減らせますが(木造は10%の効果しかありません)、1日中家の中での生活は考えられないので防護が必要となってきます.体内に蓄積されても放射線は、自然に排出されます.物理的半減期の長いセシウム(30年)の実行半減期は70日等あって、単純計算はできないのですが目安として覚えておくと良いでしょう.但し、これまで積算されている線量の試算が下記ですので、これを勘案する必要があります.人体に与える影響は、急性被曝においては上図を参考に、200mSv以下では症状はあらわれない.500mSvで白血球が影響を受け、1000mSvで消化器症状出現.4000mSvでは半数の人が死亡する.年間2.4mSvの自然放射線を受けているが、本邦の平均はやや低い.又、飛行機に乗る機会が多い人は被曝量も増えます.
 
読売新聞参照:http://www.yomiuri.co.jp/feature/20110316-866921/news/20110414-OYT1T01157.htm 
国際原子力事象評価尺度(INES):
原子力施設事故の深刻度を示す尺度。原発などの事故について、施設内外への影響などの観点から評価し、軽微なレベル0から深刻な事故のレベル7までの8段階に分けている。レベル7は、数万テラベクレル以上の放射性物質の外部放出を伴う事故でチェルノブイリ原発事故がこれに相当し、スリーマイル島原発事故がレベル5.福島原発事故は、放射能量が(現在は)チェルノブイリ原発事故の10分の1であるが、レベル7に引き上げられた.
ベクレル(Bq)、シーベルト(Sv)の換算:この2つの単位が重要ですので覚えておきましょう.(Grayは、Svとほぼ同じです)
⇒両者の簡便計算式です.http://testpage.jp/m/tool/bq_sv.php
* Svは時間(h)単位.例2mSv/h(時).Bqはkg単位.両者の単位は不正確ながら換算できる.核種により生物学的係数が異なります.ヨウ素131を2000Bq/kg経口摂取すると、2000x 2.2x10-8=0.000044Sv/Bq、つまり0.044mSvミリシーベルト/kgの被曝となる.
* 知っておくべき放射線核種
131I:ヨウ素131 137Cs:セシウム137
物理学的半減期 8.02日 30.04年
生物学的半減期 138日 70日
実効半減期 7.6日 70日
壊変形式 β-崩壊キセノンとなる β-崩壊バリウムとなる
実効線量計数 2.2(経口)0.74(吸入)
10-8(Sv/Bq)
1.3(経口)3.9(吸入)
10-8(Sv/Bq)
影響 甲状腺がん 白血病、不妊への影響
予防 100mSvを超える時ヨウ素剤内服 プルシアンブルーによる結合、排出
詳細:http://www.remnet.jp/lecture/b05_01/4_1.html
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